大阪市の提案型税理士事務所です。月次決算書(未来会計)と経営計画書で大阪市の中小零細企業を強くします。実績、自信があります。会社が変わります。金融機関から経営者、会社の評価が高くなります。しっかり説明するので税務調査も安心です。高度税務も取扱い可能です。契約継続率は非常に高い(解散、休止以外なら99.2%)です。西川税理士事務所

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2015.01.21

出国税

平成27年7月以降に、国外に移住や転出する日本人等は、転出時に持っている有価証券の含み益に対して税金が課せられます。

これが平成27年度の税制改正で出来た法律です。いわゆる、出国税です。

有価証券等を購入した時は8000万円で国外に転出移住する時が11000万円とします。移転移住時に11000万円で売ったとして、3000万円に対して税金がかかります。

有価証券等の時価等の合計額が1億円以上を持っている方のみです。かつ国外に移住転出する日以前10年間に5年超日本で住んでいた方のみです。

まずは有価証券等の時価等が1億円未満の方なら出国税は関係ありません。国外に移住転出する日以前の10年間に4年半しか日本で住んでいないのなら出国税は関係ありません。

国外に移住転出した後5年以内に日本に帰国した場合、帰国の日から4ヶ月経過する日までに税務署に一定の書類を提出したなら、収めて税金を取り戻すことが出来ます。

いわゆる出国税が高すぎてお支払出来ない場合、確定申告書にある書類を提出したなら基本的に5年間も税金の支払を待ってくれます。

 

 

 

 

2015.01.08

ふるさと納税とは

ふるさと納税とは、地方自治体(市町村等)への寄付金のことです。地方自治体(市町村等)に寄付することにより、所得税が還付されたり、住民税が少なくなります。

 

広報、地方自治体(市町村等)のホームページやふるさと納税応援サイト等から、寄付を求める自治体や事業の情報を集め、寄付したい自治体や事業を選びます。

 

地方自治体(市町村等)のホームページ等から支払方法を確認します。地方自治体に寄付をします。

 

所得税等の税額控除を受けるためには寄付したことを示す証明書が必要となりますので、証明書をもらい、保管しておきます。

 

確定申告書に証明書を付けて申告をします。

 

年収700万円の独身サラーリーマンで30,000円を寄付したならば約28,000円の節税になります。

 

それで地方自治体(市町村等)の特産品が頂けます。30,000円-28,000円=2000円で特産品1万円相当分(地方自治体)がもらえるかもしれません。

 

私が住んでいる葛城市ではお酒や米等が特産品です。

 

ふるさと納税の算式は少し難解です。下記に参考まで

 

都道府県・市区町村に対する寄附金(ふるさと納税)のうち2千円を超える部分については、一定の上限まで、原則として次のとおり所得税・個人住民税から全額控除される。

① 所得税・・・(寄附金-2千円)を所得控除 (所得控除額×所得税率(0~40%(※))が軽減)

② 個人住民税(基本分)・・・(寄附金-2千円)×10%を税額控除

③ 個人住民税(特例分)・・・(寄附金-2千円)×(100%-10%(基本分)-所得税率(0~40%(※)))

→ ①、②により控除できなかった寄附金額を、③により全額控除(所得割額の1割を限度)

(※) 平成26年度から平成50年度については、復興特別所得税を加算した率とする。

 

2014.12.28

提出期限が土日の場合に注意して下さい

提出期限が土日の場合に注意して下さい。

 

法人税申告書や消費税申告書を月末に提出する場合、月末が土日祝であれば翌日までに提出すれば大丈夫です。

 

5月31日が土曜日で6月2日が月曜日だとします。この場合3月決算で5月申告する法人なら6月2日月曜日までに申告と納付を行えば大丈夫です。

 

所得税の青色申告承認申請書も同じで提出期限が土日祝であればその翌日までが提出期限になります。

 

しかしながら注意することがあります。消費税の各種届出等は違います。例えば「消費税簡易課税制度選択届出書」です。

 

消費税の簡易課税を選ぶならば、その事業年度の前日までに提出しなければなりません。決算日が2014年3月31日日曜日だとします。2014年4月1日月曜日から消費税の簡易課税を選ぼうと考えております。「消費税簡易課税制度選択届出書」は4月1日月曜日に提出してはいけません。3月31日日曜日までに提出しなければなりません。

 

上記の「消費税簡易課税制度選択届出書」の様に、土日祝が関係なくその事業年度の前日までに提出しなければいけない書類は下記の書類です。

・消費税課税事業者届出書

・消費税簡易課税制度選択届出書

・消費税簡易課税制度選択不適用届出書

・消費税課税事業者選択届出書

・消費税課税事業者選択不適用届出書

・消費税課税期間特例選択・変更届出書

・消費税課税期間特例選択不適用届出書等

・法人税の青色申告書の承認の申請

・租税条約に関する届出書等

2014.12.14

一人当たり5,000円以下の接待飲食費について

一人当たり5,000円以下(税抜経理の場合は税込5,400円、税込経理の場合は税込5,000円)の接待飲食費については交際費にしなくてもいいのです。

 

自社の会社の役員、従業員又はこれらの親族のみで飲食した交際費(社内飲食費)は交際費扱いとなります(1人当り5,000円以下の基準には該当しません)。接待する相手方である得意先等が1人でも参加していれば社内飲食費にはなりません。ですが、形式的に参加しているのなら社内飲食費に該当することがあります。

 

この基準を受ける為には、その飲食等のあった年月日、その飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係、その飲食等に参加した者の数、その費用の金額並びにその飲食店、料理店等の名称及びその所在地を書いた書類を保存しなければいけません。

 

その書類の様式は決まっておりません。領収書や会社の経費精算書等に上記の内容を記入すればいいでしょう。

 

原則として相手方の名称や氏名のすべてが必要となりますが、相手が不明の場合や多数参加したような場合には、「○○会社・□□部、△△◇◇(氏名)部長他10名、卸売先」という表示であっても大丈夫です。

 

1次会、2次会が行われた場合には、店舗ごとに1人5,000円以下であるかどうかの判定をしても構いません。ですが、実質的に同じ店舗で行われ場合はこの判定はできません。

 

交際費から除外できるのは「飲食接待」です。カラオケ等は歌うことがメインであるため、おつまみ程度では交際費となります。5,000円以下の接待飲食費に含めることが出来ません。

 

飲食した店のお土産代も5,000円以下の接待飲食費に含めることが出来ます。この場合は、飲食代とお土産代の合計が5,000円以下かどうかで判断します。しかし、そのお土産が中元や歳暮の様に贈答用の場合は、5,000円以下の接待飲食費に含めることが出来ません。

 

弁当等の差し入れも5,000円以下の接待飲食費に含めることが出来ます。ビール等のお酒も一緒に渡した場合、弁当代とお酒等の合計が5,000円以下かどうかで判断します。しかし、そのお弁当が中元や歳暮の様に贈答用の場合は、5,000円以下の接待飲食費に含めることが出来ません。

国税庁ホームページの交際費等(飲食費)に関するQ&Aより

 

2014.12.14

交際費の勘違い

個人事業者が得意先等と仕事で飲食する場合、事業に直接関係がある限り交際費として個人事業者の経費になります。金額の規制もありません。

 

ですが、法人の交際費の場合は規制があります。超や以下、以上については注意して下さい。

 

まずは、一人当たり5,000円以下(税抜経理の場合は税込5,400円、税込経理の場合は税込5,000円)の接待飲食費については交際費から除かれます。

 

次に資本金で交際費の取り扱いが変わってきます。下記①と②の法人で取り扱いが変わってきます。但し、平成26年4月1日以後開始する事業年度

 

①期末資本金1億円超の法人と資本金5億円以上の100%子会社(孫会社を含む)

 

②①以外

 

日本のほとんどの会社が②なので、これから説明します。

 

1.②の会社の交際費が900万円だとします。900万円から800万円を引きます。この引いた100万円を税引後当期利益に足して、法人税を計算していきます。この100万円がいわゆる損金不算入となるのです。

 

2.②の会社の接待飲食費以外の交際費が100万円、接待飲食費が1,900万円で交際費の合計が2,000万円だとします。この2,000万円に800万円を引きます。1,200万円Ⓐです。100万円に1,900万円の50%を足すと1,050万円Ⓑです。ⒶとⒷのどちらかを損金不算入にすることが出来ます。損金不算入額が少ないほど有利なのでⒷの1,050万円を選んだ方がいいですね。

 

次に①の期末資本金1億円超の法人と資本金5億円以上の100%子会社(孫会社を含む)の法人の場合の交際費の説明をします。

 

①の会社の接待飲食費以外の交際費が100万円、接待飲食費が1,900万円で交際費の合計が2,000万円だとします。100万円に1,900万円の50%を足すと1,050万円です。この1,050万円が損金不算入額です。この1,050万円を税引後当期利益に足して、法人税を計算していきます。

 

①と②の会社の交際費の大きな違いは年800万円を引けるかどうかです。基本的に資本金1億円以下の会社は交際費から年800万円引けます。交際費が800万円までは税金に影響がでません。年800万円を越すと税金が増えます。

 

中小零細企業の方は、交際費が800万円までしか使えないと勘違いされている方が多いです。800万円以上でも会社の経費に落とせます。但し、800万円以上は税金の対象になるだけです。800万円を超える部分と当期利益を足して、税率を掛けて計算するのです。

 

連結納税時の交際費については注意が必要です。親法人の資本金が1億円を超えている場合、子法人はすべて損金不算入になります。

 

親法人が1億円以下で、子法人も1億円以下が多数社あったとしても、グループ全体で最大一回、年800万円しか控除できません。

 

参考文献 交際費課税のポイントと重要事例Q&A  税務研究会出版局 西巻茂

 

 
2014.12.12

教育資金の一括贈与について

上げる人・・・父母、おじいさんおばあさん、ひいおじいさん、ひいおばあさん(いわゆる直系尊属、おじさんおばさん、兄弟はダメ)

 

もらう人・・・30歳未満の子、孫、ひ孫(直系卑属)

 

非課税限度額・・・もらう人(子、孫)ごとに一人につき1,500万円まで非課税

学校以外に支払うものは500万円まで限度とする。

もらう人が30歳になり、使い残しがあれば贈与税が発生します。

 

学校とは・・・・学校教育法上の幼稚園、小・中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校、大学、大学院、専修学校、各種学校、外国の教育施設(その国の学校教育制度に位置づけられている学校、日本人学校、私立

在外教育施設)、インターナショナルスクール(国際的な認証機関に認証されたもの)、外国人学校(文部科学大臣が高校相当として指定したもの)、外国大学の日本校、国際連合大学、認定こども園又は保育所

 

学校以外とは・・・学習塾、家庭教師、そろばん教室、英会話教室、パソコン教室、スイミングスクール、ゴルフスクール・テニススクール、野球チーム、ピアノ等の音楽教室、絵画教室、バレエ教室、ダンス教室、習字教室、茶道教室、華道教室、将棋教室、囲碁教室、料理教室等教育等に支払われるもので社会通念上相当と認められるもの、学校ではなく直接業者に支払う教科書、副教材、学校指定の学用品、修学旅行、給食費等

 

手続き・・・①あげる人が信託銀行、銀行、証券会社に行きます。そこで口座を作り契約をします。

②申告書は信託銀行、銀行、証券会社に提出します。

③信託銀行、銀行、証券会社が税務署に提出します。

④もらう人が領収書を銀行等に提出してお金を受け取ります。

 

この制度を使わなくても、教育費として贈与するお金は贈与税が発生しません。わざわざこの制度を使わなくても税金が掛かりません。

 

相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算されます。ですが下記の贈与については相続開始前3年以内に贈与されても相続財産に加算されません。

1.婚姻期間20年以上の配偶者への居住用不動産の2000万贈与

2.直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税

3.教育資金の一括贈与

 

教育資金の一括贈与は相続対策には有効となります。それと先月孫かひ孫が生まれてこの先何年も教育費を渡すことができない場合はこの制度を利用すれば解決できます。

 

2014.12.11

障害者に対する贈与税の非課税

親として障害者の子供の生活の為にお金を残してあげたいという想いに応える為に、「障害者非課税信託申告の手続」があります。

 

親が信託銀行に行き、信託契約を結びます。信託会社が財産を管理し、障害者の方に生活費や医療費として定期的にお金を渡します。

 

この信託を利用すると、特別障害者の方は6,000万円まで、特別障害者以外の特別障害者の方については3,000万円を限度として贈与税が非課税になります。

 

また、手続きについては、財産の信託がされる日までに一定の書類を添付の上、障害者非課税信託申告書を信託銀行が提出します。

 

この信託契約は障害者の方が死亡する日までとなっており、契約が終了するとその残余財産は相続人等に交付されます。また、契約する際に残余財産の交付先にボランティア・障害者団体や福祉施設等を指定しておくこともできます。

西川税理士事務所

2014.12.05

車両運搬具の購入、売却、下取りの処理について

1.車両運搬具を購入、売却、買換えをした場合の処理ですが、車両運搬具は購入買換え等を頻繁にしないので経理処理についてよく悩むかと思います。

 

例えば下記の車両運搬具の取引があったとします。

 

(車体)

①車体本体2,500,000円(消費税200,000円)

②販売店特別装備(カーナビ等も含む)300,000円(消費税24,000円)

 

(税・保険料)

③自動車税 42,000円

④自動車取得税 143,000円

⑤自動車重量税 45,000円

⑥自賠責保険 40,000円

 

(法定費用)

⑦検査登録料 2,200円

⑧車庫証明費用 2,500円

 

(リサイクル関連料金)

⑨シュレッダーダスト料金9,000円

⑩エアバック類料金6,000円

⑪フロン類料金3,000円

⑫情報管理料金130円

⑬リサイクル資金管理料金352円(消費税28)円

 

(代行料・その他)

⑭検査登録代行料 25,000円(消費税2,000円)

⑮車庫証明代行料 10,000円(消費税800円)

⑯納車費用 5,000円(消費税400円)

 

下取り価格 400,000円(消費税32,000円)

(取得価格2,500,000円 減価償却累計額2,400,000円 預託金20,000円)

 

現金支払 2,928,410円(3,360,410円-432000円)

 

税込処理は下記の仕訳になります。

プレゼンテーション1

 

税抜処理は下記の仕訳になります。

(借方)                   (貸方)

車両運搬具      2,805,000円(①+②+⑯)      現金         2,928,410円

租税公課         234,700円(③+④+⑤+⑦+⑧)    預託金                    20,000円

保険料        40,000円(⑥)

支払手数料       35,352円(⑭+⑮+⑬)

預託金            18,130円(⑨+⑩+⑪+⑫)

仮払消費税    227,228円          仮受消費税     32,000円

減価償却累計額  2,400,000円              車両運搬具    2,500,000円

固定資産売却益     280,000円

 

 

車両運搬具に含めないといけないもの(損金に計上できないもの)は、①②⑯です。

 

上記以外で資産に計上しなければならないのは、⑨⑩⑪⑫です。これは廃車にするときに損金に計上できます。

 

それ以外は車両運搬具に含めなくても構いません。損金に計上できます。

 

⑬は、自動車リサイクル促進センターに対して支払う業務委託料だからです。

 

2.リサイクルの預託金の消費税の取り扱いには注意が必要です。

 

リサイクルの預託金を支払った時は不課税です。売却したときは非課税取引です。廃車時は課税取引となります。

 

①リサイクル料金の支払時

預託金 18,130円(不課税)  /現金 18,130円

②中古車として転売時

現金 18,130円  /預託金 18,130円(非課税取引)

③廃車時(税抜処理の場合)

雑損失 16.787円    /預託金 18,130円

仮払消費税  1,343円

 

 

2014.11.26

適格合併をした場合の繰越欠損金について

適格合併をした場合の繰越欠損金について、かなり難しいので少しだけでもわかりやすく説明したいと思います。

1.適格合併をした場合、要件を満たしたときは、なくなる会社の繰越欠損金が残った方の会社で使えるかもしれません。次の順番で判断していきます。これは残る会社の欠損金も同じです。

 

①残る会社がなくなる会社の株を49%持っていたとします。これが50%以下だとなくなる会社の繰越欠損金、残る会社の繰越   欠損金が使えます。

 

②平成20年1月1日にA会社がB会社の株を51%買ったとします。A会社とB会社は50%超の株を保有しました(支配関係)。平成25年1月2日にA会社とB会社を合併します。この2つの間が5年超であれば、なくなる会社の繰越欠損金、残る会社の繰越欠損金が使えます。

 

③いわゆるみなし共同事業要件を満たせば、なくなる会社の繰越欠損金、残る会社の繰越欠損金が使えます。

a事業関連性要件・・・なくなる会社の事業が残る会社に引継がれること。合併でなくなる会社の事業が消滅する場合、この要件を満たせません。この要件で注意したいことは、「事業」です。事業とは場所(事務所、店舗、工場)、従業者(役員の場合はその業務に従事している)、売上げが上がる、この3つが必要です。これは適格合併の事業関連性要件と一緒です。

b規模要件・・・・・ 規模要件はなくなる会社と残る会社の売上、従業者数、資本金額のいずれかが1:5の範囲であればOKです。よく使われるのが資本の金額です。これは適格合併の規模要件と一緒です。

c規模継続要件・・ 平成23年1月1日にA会社がB会社の株を51%買ったとします(50%超を有する支配関係)。平成26年1月1日に合併したとします。平成23年1月1日(支配関係)と平成26年1月1日(合併時)のA社の規模が2倍になっていないこと、かつB社の規模も2倍になっていないこと。

d経営参画要件・・ 平成23年1月1日にA会社がB会社の株を51%買ったとします(50%超を有する支配関係)。残る会社の平成23年1月1日前の特定役員のいずれか一人が合併後も特定役員となり、かつ、なくなる会社の平成23年1月1日前の特定役員のいずれか一人が合併後も特定役員となればOKです。特定役員とは社長、副社長、代表取締役、専務取締役、常務取締役、代表執行役またはこれらに準ずる者で法人の経営に従事しているものをいいます。

abc又はadを満たせば、なくなる会社の繰越欠損金、残る会社の欠損金が使えます。

 

④なくなる会社の資産の時価が1,000で、簿価が700とします。なくなる会社の欠損金は200とします。時価から簿価を引いた金額(300)が200より多ければ、なくなる会社の繰越欠損金、残る会社の欠損金は使えます。

 

①②③④がダメならば、使えない繰越欠損金があります。

 

2.なくなる会社の使えない繰越欠損金について(繰越欠損金の引継制限)

なくなる会社の会計期間が4/1~3/31、平成26年6月1日に合併、平成22年8月1日に残る会社がなくなる会社の株を51%を購入したとします(50%超の支配関係発生)。なくなる会社の繰越欠損金の内、平成21年3月31日(支配関係発生前の事業年度末)前に発生した繰越欠損金は使えません。平成21年4月1日(支配関係発生前の事業年度末の翌日)から平成26年5月31日(合併前日)の繰越欠損金のうち資産の含み損の欠損金は使えません。

 

3.残る会社の使えない繰越欠損金について(繰越欠損金の使用制限)

残る会社の会計期間が4/1~3/31、平成26年6月1日に合併、平成22年8月1日に残る会社がなくなる会社の株を51%を購入したとします(50%超の支配関係発生)。なくなる会社の繰越欠損金の内、平成21年3月31日(支配関係発生前の事業年度末)前に発生した繰越欠損金は使えません。平成21年4月1日(支配関係発生前の事業年度末の翌日)から平成26年3月31日(合併事業年度の前事業年度の末日)の繰越欠損金のうち資産の含み損の欠損金は使えません。

 

2014.11.24

役員給与の基礎

損金となる役員給与の具体的な範囲は、原則として、①定期同額給与、②事前確定届出給与、③利益連動給与の3つとされています。

①定期同額給与とは、定期同額給与とは、支給時期が一月以下の一定の期間ごとである給与のうち、事業年度の各支給時期における支給金額が同額であるものなど、所定の役員給与を言います。

このため、役員給与の支給金額が変更される、役員給与の改定の取扱いが問題になります。定期同額給与の改定につき、法律上は有効と取り扱われる改定を所定の改定に制限した上で、原則として「事業年度開始の日から給与改定後の最初の支給時期の前日まで」及び「給与改定前の最後の支給時期の翌日から当該事業年度終了の日まで」の間の各支給時期における支給額が同額であるものが、定期同額給与に該当すると規定しています。つまり、所定の改定であり、かつ改定前後で同額でありさえすれば、定期同額給与に該当して損金の額に算入することができるのです。

3月以内という期間は、会社法において、役員の職務執行期間が今回の定時株主総会から次回の定時株主総会までとされていることを踏まえたものです。3月決算の上場企業について考えていただくと分かる通り、これらの会社は事業年度開始日(4月1日)から3月後の6月中に定時株主総会を行うことが通例ですが、これは会社法で事業年度開始日から3月以内に定時株主総会を行うよう定められているからです。3月決算の場合は、6月の定時株主総会で7月からの増額決定を行います。

実務上は定時株主総会において役員給与の金額を改定することが多く、かつ職務執行期間である次回の定時株主総会までは役員給与の金額は変更されないことが通例です。この点を踏まえ、法人税法上は、職務執行期間中役員給与の金額が同額になるよう、定時株主総会が開催される3月以内の改定と、その改定後の同額の役員給与の支給が求められています。

なお、中小企業の場合には、法人税の確定申告期限が原則として決算日から二か月以内とされていることもあって、定時株主総会を決算日から二か月以内としているところが大多数と思います。このため、定時株主総会までの最初の二月(3月決算法人の場合には、4月と5月)の役員給与が同額であり、かつその後三か月目(3月決算法人の場合には、6月)から改定後の役員給与の同額支給がなされることが、中小企業においては一般的です。

②事前確定届出給与とは、役員賞与を支出する場合などに使われるものです。賞与は毎月出すものではありませんから、①の定期同額給与に当たらず、原則損金にはならないとされていますが、その例外としてこの制度が認められています。

例えば、×1年7月25日に役員賞与を200万円支給する予定であれば、所定の期日までに「×1年7月25年に、200万円を支出する」という届出をあらかじめ税務署に行い、その通りに支給をすれば、この役員賞与は損金に算入されます。つまり、支給時期や支給額を、あらかじめ税務署に届け出た上で、その通りに支給した場合に認められるのがこの事前確定届出給与なのです。

③利益連動給与とは、同族会社に該当しない法人に対してのみ認められているもので、取締役等に対して支給する自社の業績に連動した給与のうち、次の要件を満たす給与をいいます。1.同族会社でないこと 2.利益指標などを基礎とし、かつ所定の方法で決定等される客観的なものであること 3.利益指標等が確定した後1月以内に支払われ、又は支払われる見込みであること 4.決算において費用又は損失として経理(「損金経理」といいます。)をしていること

利益連動給与の損金算入が認められる要件は非常に厳しいです。このため、上場企業のように、コンプライアンスの水準が高い会社でなければ、損金となる利益連動給与を支給することは、現実問題としては難しいと言われています。加えて、日本の中小企業のほとんどは、家族経営である同族会社ですので、実務上この利益連動給与を目にすることは多くはありません。

 

 

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