税理士「相続で遺産を分ける方法は3つあります」
お客様「教えて下さい」
税理士「現物分割(財産をそのまま分ける)、換価分割(遺産を売却して分ける)と代償分割(他の相続人に財産を与える)があります。」
お客様「代償分割で気を付ける点を教えて頂いてもよろしいでしょうか?」
税理士「3つあります。一つ目は遺産分割協議書に記載すること。」
お客様「それはわかります」
税理士「二つ目は現金以外で渡す場合は所得税が発生することがあります。」
お客様「三つ目は?」
税理士「もらった財産(例0円)より多く渡す(例5,000万円)と贈与税がかかります」
お客様「どういうことですか?」
税理士「特に生命保険で代償分割を行う場合は注意が必要です」
お客様「全くわかりません」
税理士「相続で兄が自宅2000万円をもらい、弟に5000万円の現金を入る様にしました」
お客様「兄は少ないですね」
税理士「だから、弟が兄に1500万円を渡します。これが代償分割です」
お客様「それはわかります」
税理士「相続で兄が自宅2000万円をもらい、弟に5000万円の生命保険を入る様にしました」
お客様「現金を生命保険に変えたのですね?」
税理士「弟が兄に1500万円を渡すと、兄に贈与税が発生します。これは代償分割ではありません」
お客様「現金ではなくて生命保険なら贈与税が発生するのでしょうか?」
税理士「生命保険は相続税の対象ですが、遺産分割における相続財産ではありません」
お客様「よくわかりません」
税理士「税法では生命保険は相続財産になりますが、民法では相続財産になりません」
お客様「だから?」
税理士「民法では弟は相続財産をもらっていないことになります」
お客様「だから代償分割にならないのですね」
税理士「代償分割ではなく、弟が自分の財産を兄にあげただけです」
お客様「だから贈与税がかかるのですね」
税理士「この場合、生命保険は弟ではなく兄を受取人にすべきでした」