交際費の勘違い
個人事業者が得意先等と仕事で飲食する場合、事業に直接関係がある限り交際費として個人事業者の経費になります。金額の規制もありません。
ですが、法人の交際費の場合は規制があります。超や以下、以上については注意して下さい。
まずは、一人当たり5,000円以下(税抜経理の場合は税込5,400円、税込経理の場合は税込5,000円)の接待飲食費については交際費から除かれます。
次に資本金で交際費の取り扱いが変わってきます。下記①と②の法人で取り扱いが変わってきます。但し、平成26年4月1日以後開始する事業年度
①期末資本金1億円超の法人と資本金5億円以上の100%子会社(孫会社を含む)
②①以外
日本のほとんどの会社が②なので、これから説明します。
1.②の会社の交際費が900万円だとします。900万円から800万円を引きます。この引いた100万円を税引後当期利益に足して、法人税を計算していきます。この100万円がいわゆる損金不算入となるのです。
2.②の会社の接待飲食費以外の交際費が100万円、接待飲食費が1,900万円で交際費の合計が2,000万円だとします。この2,000万円に800万円を引きます。1,200万円Ⓐです。100万円に1,900万円の50%を足すと1,050万円Ⓑです。ⒶとⒷのどちらかを損金不算入にすることが出来ます。損金不算入額が少ないほど有利なのでⒷの1,050万円を選んだ方がいいですね。
次に①の期末資本金1億円超の法人と資本金5億円以上の100%子会社(孫会社を含む)の法人の場合の交際費の説明をします。
①の会社の接待飲食費以外の交際費が100万円、接待飲食費が1,900万円で交際費の合計が2,000万円だとします。100万円に1,900万円の50%を足すと1,050万円です。この1,050万円が損金不算入額です。この1,050万円を税引後当期利益に足して、法人税を計算していきます。
①と②の会社の交際費の大きな違いは年800万円を引けるかどうかです。基本的に資本金1億円以下の会社は交際費から年800万円引けます。交際費が800万円までは税金に影響がでません。年800万円を越すと税金が増えます。
中小零細企業の方は、交際費が800万円までしか使えないと勘違いされている方が多いです。800万円以上でも会社の経費に落とせます。但し、800万円以上は税金の対象になるだけです。800万円を超える部分と当期利益を足して、税率を掛けて計算するのです。
連結納税時の交際費については注意が必要です。親法人の資本金が1億円を超えている場合、子法人はすべて損金不算入になります。
親法人が1億円以下で、子法人も1億円以下が多数社あったとしても、グループ全体で最大一回、年800万円しか控除できません。
参考文献 交際費課税のポイントと重要事例Q&A 税務研究会出版局 西巻茂